輸入インテリアは日本の量販製品とは異なった独特なデザインを提供してくれることで知られています。
その中でも輸入ラグは、すぐにお部屋に敷くことができ、インテリアの印象をガラッと変えることができる優れもの。
一方で、日本の気候や文化とは異なる国から輸入されたものであるため、実用性については注意が必要です。
本稿では、そんな自宅インテリアをワンランクアップする隠し味、輸入ラグの特徴や魅力、その欠点などについて詳しく解説していきたいと思います。
輸入ラグの特徴と魅力
インド、トルコ、ベルギー、スペイン・・・
輸入ラグを扱っている国は多く、その仕様は多種多様です。
手織りならではの温かみを感じられるものから、高密度の機械織りによる耐久性重視のもの、
ヴィンテージ調・モダン・北欧風などデザイン性に特化したものまで、それぞれの国やメーカーごとに特徴があります。
そんな中で特に輸入ラグの魅力を挙げるとするのれあれば「柄が独特」である点です。
織物の産地として長い歴史を持つイラン、中世王侯貴族のタペストリー文化をその起源にもつラグ大国のベルギー、イスラムと西欧の感性がまじりあったスペインなど、ラグを通じてそれぞれの国や歴史、文化を感じることができます。
ベルギーラグ
ベルギーはヨーロッパにおける高級ラグ・カーペット産業の中心地の一つとして知られています。
中世以来、フランドル地方を中心に織物産業が発展し、タペストリーや絨毯は王侯貴族の館や教会を飾る美術品として重宝されてきました。特にブリュッセルやアントワープ周辺では、精緻な織りの技術とヨーロッパらしい装飾感覚が磨かれ、各国の宮廷にも広く輸出されたのです。

近代以降は機械織り技術の発展により、ベルギーラグは美しいデザイン性と安定した品質を兼ね備えたインテリア製品として世界に広がります。クラシックなメダリオン柄から、モダンで洗練されたデザインまで幅広く展開され、上品で落ち着いたヨーロピアンな空間づくりに適しています。
ウールやコットン、ポリプロピレンなど多様な素材を用いたベルギーラグは、繊細な柄表現と実用性の高さのバランスが魅力です。
■生産地:ベルギー
品質の信頼性が高いベルギー製絨毯です。ウィルトン織は毛足が短く大変丈夫です。
インドラグ
今や世界随一のラグ大国と化したインド。
元々絨毯やラグの製造はイラン(ペルシャ)のお家芸でしたが、16世紀に成立したムガル帝国がペルシャの文化を色濃く受け継ぎ、宮殿や貴族の館の中などで用いるためにペルシャの絨毯技師が連れてこられるようになりました。
19世紀以後、イギリスの海外植民地としてインドのラグ産業はさらに発展を遂げることとなります。
ヨーロッパ輸出向けに欧米好みしそうなラグのデザインや技術が磨かれ、植民地を脱した後もインド経済の根幹をなす産業の一つに発展したのです。
自然な触り心地で知られるインド綿やウールを用いたインドラグは、自然素材やオーガニック、バイオフィリックといったインテリアコンセプトと相性が抜群です。
一つ一つ手作業のぬくもりが感じられ、部屋全体に柔らかなイメージを醸します。
シンプルなインテリアにスパイスを効かせるなら、コットンシェニールのサリーがおすすめです。
インド綿マットの上質な素材を使用し、インパクトのあるエスニック柄と色使いが目を引きインターナショナルなリゾートモードをお部屋に演出します。
■生産地:インド
■素材・成分:綿、レーヨン、ポリエステル
アチャは、インドで生産されたハンドタフトループラグです。品質とデザインにこだわったウール100%で作られ、パール部に綿布仕上げを施し、耐久性に優れています。
1枚1枚手作業で作られるため、丁寧な手仕事が随所に光ります。
厚み10ミリほどで音の軽減効果もあります。
■生産地:インド
■素材・成分:パイル部ウール100%
トルコラグ
トルコは古来より東西交易の要衝として栄え、中央アジア、ペルシャ、アナトリア文化が交差する中で独自のラグ文化を発展させてきました。

特にオスマン帝国時代には宮殿やモスク、富裕層の邸宅を彩るために高度な織物技術が磨かれ、トルコラグはヨーロッパでも高級品として広く知られる存在となります。
伝統的なギュネイ地方やウシャク、ヘレケなどの産地では、地域ごとに代々異なる幾何学模様や草花文様が受け継がれ、手織りならではの深い表情と芸術性を今に伝えています。
■生産地:トルコ
■素材・成分:レーヨン100%・房:綿100%・クオリティ:144万ノット
高級感あふれるマットが空間を華やかに彩ります。シルクのような光沢、なめらかで柔らかい質感の高級レーヨン糸で緻密なペルシャ絨毯柄を織り上げました。レーヨンは通気性があり、湿気を吸収・放出する性質があるので、お部屋に敷くことで、調湿効果も期待できます。
輸入ラグのデメリット
輸入ラグは日本以外の国から取り寄せたモノになります。それはデザイン上のユニークさでもある一方、国産品の持つ規制やサービスとは異なる点があると理解しておく必要があります。いわば、日本のラグが安定した国産車だとしたら、輸入ラグは扱いが難しいがスタイリッシュなスポーツカータイプのように喩えて良いかも知れません。
まず日本の汎用品とは違い、在庫の安定性が不透明である点が挙げられます。
現品のみ、一点もの、といった製品も少なくなく、もしかしたら現在店頭に並んでいる製品が最後の一品である可能性もあります。ホテルやコンドミニアムのように、全ての部屋のインテリアを統一したい場合には不向きとも言えます。
また、輸入製ゆえの難点として価格が挙げられます。
国内量産品などと比べるとやはり価格面ではやや引けを取るため、普段使いや消耗の激しい箇所への使用は少し躊躇することになるでしょう。
インテリアとの調和も課題の一つです。
輸入ラグは上述の通り各国の文化やデザインを反映したものであり、モノによっては日本のインテリアとの親和性に欠けることがあります。
特にインドやトルコの伝統的な柄のラグは、「オシャレ」である評判を持つ一方、主張の強い柄も多いため、既存のインテリア(壁や床、家具)と合わせたトータルコーディネートが必要になるでしょう。
また、以下のように製品の機能性がしばしばやり玉にあがることもよく上げられます。
- 返品・交換が難しい(イメージと異なる、サイズが合わない等)
- 品質基準の差異(海外ブランドの製品は、日本の厳しい検品基準と異なり、多少のほつれや色ムラが「許容範囲」として扱われることが多い)
- メンテナンスと素材( 海外の気候に合わせて作られているため、日本の高温多湿な環境ではカビやダニが発生しやすかったり、手洗いや洗濯機洗いに対応していない製品も多い)
ラグに限らず、輸入品は生産国の気候や文化を反映したものです。それゆえ日本の製品や気候に慣れた我々からしたら「普段の品と違う!」と思うことがあると思いますが、その文化的差異に理解を示し、上手に手綱を握れたら唯一無二のインテリアのスパイスとしてあなたのお部屋を見違えさせるものにできるでしょう。
その希少性やパターンの被らなさ、そして個性の強さこそが輸入ラグの魅力なのです。
ラグを通してヨーロッパの宮廷やペルシャの自然に思いをはせ、さながらシルクロードを旅する気分を味わってみるのはいかがでしょうか?
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